解体工事について

KNOWLEDGE

解体工事の基礎知識

解体工事とは、建物や構造物を取り壊す工事のことを指します。主に以下のようなケースで行われます。

古い建物の取り壊し

老朽化した建物を撤去し、新たな建物を建設する

土地の有効活用

空き家や不要な建物を取り壊し、駐車場や新築用地として活用する

災害復旧

地震や火災などで損傷した建物を安全に撤去する

解体工事は建物の種類(木造・鉄骨造・RC造)によって
方法や費用が異なります。

木造住宅は比較的安価に解体できますが、鉄骨造やRC造(鉄筋コンクリート造)は費用が高くなる傾向にあります。

LAW

解体工事にまつわる法律

解体工事を行う際には、いくつかの法律を遵守する必要があります。代表的なものを紹介します。

01.

建設業法

解体工事を請け負う業者は、一定規模以上の工事を行う場合、建設業許可が必要

02.

建設リサイクル法

解体時に発生する廃材の適正処理を義務付ける法律

03.

大気汚染防止法

アスベスト(石綿)を含む建材の適正処理を求める法律

04.

廃棄物処理法

不法投棄を防ぐため、産業廃棄物の適切な処理を義務付ける

05.

道路交通法

解体工事に伴う交通規制や通行許可が必要な場合がある

06.

労働安全衛生法

工事現場での労働者の安全確保や健康管理を義務付ける

07.

都市計画法・建築基準法

解体後の土地利用や新たな建築物に関する制限が定められている

FLOW

解体工事の流れ

01.

お問い合わせ

業者に連絡し、工事の概要や相談内容を伝える。

02.

事前調査

業者が現地を訪れ、建物の構造や周辺環境を調査する。

03.

見積り

調査結果をもとに、工事費用の見積りを作成。

04.

契約

見積りに納得したら正式に契約を締結。

05.

許可申請

解体工事の許可申請を自治体への届出。規模によっては建設リサイクル法に基づき届出が必要。

06.

アスベスト調査と除去

古い建物に含まれている場合は、専門業者による適切な除去が必要。

07.

近隣へのあいさつ

騒音や振動のトラブルを避けるため、工事前に近隣住民へ説明。

08.

配管・配線の撤去

電気・ガス・水道などのライフラインを停止し、撤去。

09.

養生・足場の設置

粉じんや騒音対策のため、防音シートや足場を設置。

10.

周辺・内部の物を撤去

家具や建材などの残置物を処分。

11.

建物の解体

重機や手作業で建物を取り壊し、廃材を分別。

12.

廃材の撤去・処分

産業廃棄物処理業者により、廃材を適正処理。

13.

地中埋蔵物の撤去

解体後に地中に埋まっている障害物を取り除く。

14.

整地

土地を平らにならし、次の活用に備える。

15.

地盤調査

解体後の土地の確認。新築予定の場合、土地の地盤が安定しているか確認。

KINDS

土地活用の種類

解体後の土地は、さまざまな用途で活用できます

01.

新築住宅の建設

既存の建物を取り壊し、新たに住宅を建設する

既存の建物を取り壊し、新たに住宅を建設する

02.

アパート・マンション経営

収益性を重視した賃貸物件を建てる

収益性を重視した賃貸物件を建てる

03.

駐車場運営

更地をコインパーキングや月極駐車場として貸し出す

更地をコインパーキングや月極駐車場として貸し出す

04.

商業施設やオフィスの建設

立地によってはテナントビルやオフィスビルとして活用

立地によってはテナントビルやオフィスビルとして活用

05.

太陽光発電設備の設置

広い土地なら、太陽光パネルを設置して売電収入を得る

立地によってはテナントビルやオフィスビルとして活用

GLOSSARY

よく使われる用語集

解体工事でよく使われる専門用語をまとめました。

養生(ようじょう)
粉じんや騒音を防ぐために、建物の周囲に防音シートなどを設置すること
残置物(ざんちぶつ)
解体前の建物内に残っている家具や家電など
アスベスト
一部の古い建材に含まれる有害物質。適切な処理が必要
分別解体
木材・鉄・コンクリートなどの廃材を分けて処理する解体方法
スクラップ&ビルド
古い建物を解体し、新たに建設すること
整地(せいち)
解体後の土地を平らに整える作業
養生シート
解体作業時に粉じんの飛散を防ぐために設置されるシート
重機(じゅうき)
解体作業に使用する大型機械(クレーンなど)
地中埋設物(ちちゅうまいせつぶつ)
地中に埋まっている障害物(古い基礎、配管など)
施工計画書(せこうけいかくしょ)
解体工事の計画を記した書類。工程や安全対策が記載される
仮囲い(かりがこい)
工事現場を囲うフェンスやパネルのこと
産業廃棄物
解体工事で発生するコンクリート片や木材などの廃棄物

TROUBLE

解体工事で発生しやすい
トラブルと対策

近隣トラブル

騒音・振動・粉じんが原因。事前のあいさつや防音対策が重要。近隣へ配慮できる業者選びが肝心です。

追加費用の発生

地中埋設物の発見やアスベスト処理などによる追加費用の発生。契約前に調査を徹底することが重要です。

工期の遅れ

天候や予期せぬトラブルで遅れることがあるため、余裕を持った計画を立てることが重要です。

PROCEDURE

解体工事後の手続き

解体工事が完了した後には、いくつかの手続きを行う必要があります。

建物滅失登記

建物が解体されたことを法務局に届け出る手続き

税金関連の手続き

固定資産税の変更手続きや軽減措置の確認

土地利用計画の確認

解体後の土地の活用方法を検討し、必要な許可を取得

近隣住民への報告

工事完了の報告とお礼を伝えることで、良好な関係を維持

新たな建築計画の準備

建て替えを行う場合、建築設計や施工業者の選定を進める